孤島の鬼 -咲きにほふ花は炎のやうに-
初日観劇してきました。
ツイッターで書くとネタバレになるかなとか文字数が少ないかもと思いブログにしました。
たぶんそんなたいした文字数ではないけど。
せっかくだからこれを期にいろいろ書いてみたい。
前作(2015)を観に行ってとても好きな作品だったので、再び公演があると知ってとても嬉しかったです。
演者さんはもちろん演出家さんもかわり、作品全体の雰囲気もガラリと変わったように思います。
以下、ネタバレ前提で舞台内容やセットなどに触れつつ感想です。
前作と比べると私の好みとしては総合的に前作が好きかもって感じなのですが、変化した表現でここが好き!ってところをいくつか述べます。
印象なのですが前作がにおわせって感じで今作はわりと直喩な感じがでした。
ライトの使い方が前作の好きだったなと思います。
序盤のシーン、学生の諸戸と箕浦の出会いと最初の決別のところ。
机の上に足を乗せて、前かがみに体を伸ばして箕浦に語りかける諸戸が、すごく懇願という感じで好き。演者さんの青さもあって、箕浦を求めることへの羞恥があったと思います。
初代さんとの恋のシーン。
とてもはつらつとした笑顔と、ちょろちょろ動き回る感じが、ああ浮かれてるって伝わってきてニコニコ見てました。
初代さんの喋り方が硬質な感じで、おやと思ったのですが、ほとんど身じろがずに、自身にとっては辛いことを述べているのでそういう表現かなって思ったり。声が鈴のようでとても心地よいです。
友のツボ入りシーン。
生身を使ってツボの出入り、そしてみしみしと響く音がとても不気味さや得体の知れなさが劇場いっぱいに広がって、ぞくぞくします。
手記のシーン。前作では徐々に明るくなったところから吉ちゃんが見えてその姿は、という感じだったのですが、今回は別々に現れた二人に徐々にからみつく感じになっていました。
初めて原作の小説を読んだ時、最初は秀ちゃんと吉ちゃんの姿は文章に隠されてて途中で気づくという感じだったのですが、ちょうどその感覚を舞台で見たって思いました。
諸戸屋敷の救出劇。
秀ちゃんしか見えない!が全力でもうほんっっと辛い。好き。
諸戸さんとすれ違うライティングが心を抉ります。
洞窟の蛇。
恐る恐る逃げている箕浦を捕まえるところ、田中さんの腕がながいのもあるのかな、からみつく蛇感が強かったです。前作が獣なら今作は爬虫類です。
諸戸のその後を知って。
諸戸がゆっくり手を伸ばすから、掴んだらどうしよう...って思いながら見ておりましたが、そこに過去の箕浦がするりとかんできて、あの洞窟がやっぱりターニングポイントだったんだなと、辛く悲しい気持ちでいっぱいになりました。
叫ばない。叫ばないけど、客席に向かってその苦痛とも迷いともいえる苦しい顔を見せてくる佐藤さんの顔はとても美しかったです。
若い演者さんはやっぱりまだちょっと物足りないところもありましたが、どんどん空気感を背負ってブラッシュアップしていかれたらいいなって思います。
前作の鯨井さんが好きすぎた。
また見に行ったり思い出したりしたら書きます!
@kotounooni2015
赤坂RED THEATER
2017/2/3〜2/12